学振の駄目なところ

日本の博士課程に進む大学院生のほとんどに大きな重圧としてのしかかる、学術振興会特別研究員という制度がある。これは、博士課程になったら大学に通いつつ、月20万もらえるというありがたい制度なのである。博士課程に進む学生は、まず間違いなく申し込むべきである。

しかし、申請は修士2年の五月に初めて申し込む事になり、そこで実績、これからの研究の(結構具体的な)方向性が求められる。
そのために、修士の学生は1年の間に実績(主に論文)を書く事を求められるようになるのである。そのためには、大学院に入ってすぐに研究を始めなければいけない。

しかし、修士1年の間に研究をさせて、論文を書かせるという事には、問題もあるような気がする。しっかりとした基礎知識のないまま研究を始める事が将来にわたって弊害を研究活動に及ぼすのではないかと心配している。小粒な研究者が育ってしまうのだ。