2013年のまとめ

今年も全然日記を書けなかったが、一年のまとめくらいは書いておこうかと思う。
twitterでほぼ毎日つぶやいているので、それを見ればだいたいのことがわかるのだけ、なんだか雑然としているので、
こういうのを書くためにはカレンダーを見るしか無い。
今年も頑張って研究したつもりだったが、論文は一本も出版できなかった。
言い訳として書きたいことはあるが、真摯に反省するとしよう。

今年は博士論文に意識が向いていた年だった。結果どうなるかは来年の始めに分かる。

1月
この年は、リプレースもあって、12月のうちにCfCAユーザーズミーティングがやられたので1月にはなし。
そのかわりといってはなんだが、多摩の方で集中したプラズマ研究会があった。かなり面白かった。

2月
宇宙磁気流体・プラズマシミュレーション。京をつかった計算の結果を小出しに。あとはでかすぎる出力データの取り扱い戦略について講演
太陽研究会。太陽内部の研究として後はどんなことが重要問題としてのこっているのかについて講演。てきとうに太陽ダイナモ問題はノーベル賞級の問題だといったら割りとうける。
太陽活動と気候変動の関係に関する名古屋ワークショップ。太陽ダイナモ問題に向けて最新がどこまで進んでいるかを講演。
レビュー講演的なのがつづくがこういう系だとあんまり勉強しなくていいので講演は楽め。

3月
SDO meeting@アメリカ。初めてのアメリカでの国際学会参加。ボブシュタインと初めて会って、いろいろ交流が持てたのが、非常に貴重だった。今年で78歳になる伝説的研究者なのだが、「将来はあなたのようになりたい」といったら、「必ずなれる」と言ってくれたのが嬉しかった。
天文学会@埼玉大学。宿泊しない天文学会。京の成果で初めての発表。口頭とポスター。ポスターが割りとうけがよかった。
物理学会広島大学。ほぼ広島に住む友人に会いにいった学会。ただ講演を見てくれている人は見てくれていたみたいであとあといい評価を聞いた。

4月
新M1入学。横山研らしく二人とも変わり者。
Flux emergence workshop@フランス。初めて、そして最後になるであろう指導教員と行く国際研究会。計算の中で見えた浮上磁場について議論した。リゾート地とかバカにしてたけど、ニースすごい良い。若手研究者たちとリゾート地を堪能。
海外学振の書類提出。受け入れ証明みたいなので手こずる。

5月
Hinode/SOT運用。初めてまともに一人で運用参加。まさかのXクラスフレア三発。予想難しく、一発しか観測できなかったけど、いろいろなところで僕がとったデータを見るのでよかった。
国内学振の書類も提出。こちらも天文台での提出に手こずりなんどか天文台を訪問。
後輩の学振の書類も読む。どうも人の書類に適切なアドバイスができない。
JpGU参加。割りとうける。

6月
一回目の宇宙研博論中間発表。とくに事件なし。
東大柴橋研で発表。恒星感を感じる。
AOGS@オーストラリア参加。招待講演と一般講演。招待講演はいつやってもとくにリアクションがないので、よかったのかわるかったのかよくわからない。

7月
APPC@千葉参加。マークミエシュが来てたので色々議論。やっぱりかなり参考になる。
千葉大での講演にも参加。

8月
機構連携@核融合研に参加。ちょっと勉強して、角運動量輸送の面白い話をする。実験も見せてもらう。
オープンキャンパス。研究室の人数が増えたのでうまく分担できて、あまり疲れなかった。すばらしい
GEMSIS研究会@名古屋大学黒点予測の話。何人かの人にはうけたっぽい。いつもどおり最後に余計なことを言う。

9月
ここから怒濤の講演ラッシュ。
天文学会@仙台。ようやく東北へ。牛タン食べまくる。講演は、まあまあな感じ。
流体力学会@農工大。地球惑星の対流の人々と絡む。
ダイナモ研究会@京都。ブルンとか来てて、かなり面白い研究会。表面勾配層の話を話す。

10月
ハナソゲ来日。いろいろ議論する。六本木のベジタリアンレストランに行ったのを良く覚えている。
東大コロキウム。ほとんど誰も理解しないが、しょうがない。どうやれば理解してくれるか考える。
セミナー@青山学院大学。割りと多くの人が頑張って理解しようとしてくれた。
ブランデンバーグ来日。いろいろ議論する。アイディアマンだなあと。
FX10の大規模実行。浮上磁場っぽいことやる。
セミナー@JAXA。所長もいらっしゃってた。他の人ともいろいろ喋る。

11月
博士論文提出審査会。一年ぶりのあれ。今年は通過。
Hinode-7@高山。招待講演。太陽内部の問題はこれで解決するためにはこういうことをしなければいけませんという話。割りと受けた感じ。

12月
犬塚先生のセミナーに参加。とても感動。僕の目指す講演スタイルというか、講演そのもの。
セミナー@ロッキード(アメリカ)。反応よくなし。マークチュン曰く、誰も理解できなかったかららしい。その後、マークチュンの部屋で議論。途中で時差ぼけで寝そうになる。疲れているねといわれ解散。
AGU参加。招待講演のみで誰も太陽の人おらず、あとからいろいろな人に「どうだった?」とだけ聞かれる微妙な感じ。
博論提出。ちょっとどきどき。
理論懇シンポジウム@柏。誰も興味持たないだろうくらいの気持ちで行ったが、割りと終わったあと話しかけてくれる人多し。恒星の進化とかと絡めると面白いかもと思った。あと惑星形成の人の話が分かりやすくて面白かった。

Flux emergence workshop@Nice, France

フランスのニースで開催されたFlux emergence workshopに参加。
Flux emergenceとは、太陽の黒点が現れるときの現象を表していて、太陽内部で増幅された磁場のあつまり磁束(flux)が、表面に浮上してくる事をいう。

言葉にすると簡単だが、かなり多くの物理が絡み合っていて面白いので、基本的にはその現象だけで、研究会が二年に一回くらい開かれていて今回五回目らしい。

僕は初めての参加で、この業界の有名人達に会えて面白かった。

ゼロ日目
初めての指導教員と同じ飛行機で、やや緊張。
ニースには、夜八時くらいに着き次の日の発表の準備をちょっとして、夕飯も食べずに就寝。

一日目
ファンさん、ジューブなど、全球殻の熱対流に磁束をつっこんだってのが4つくらいあった。僕もやろうかと思ったけど、あまりにもやられすぎな上に、結果も面白くなかったので、やめておく。

自分の発表。何人かの人には驚きだったようで、わりあい好評。
あとは、鳥海、スタティスなど。。Flux emergence デテクト系はコメント厳しい。悪い事ではない。

夜は、マークチュン・マークデロサなどとフレンチレストランへ。ノリノリのおばさんに、服をぬがされそうになる。

二日目
指導教員と草野先生の発表あり。
国際学会で指導教員の発表見るの初めて。鳥海いわく固定ファンがいるとのこと。ごりごり進んでよい感じだった。
草野先生はさすがの貫禄。
午後のファンファンとマークチュンが代わりにやったレンペルの発表はこの研究会のハイライトではなかろうか。とくにレンペルのやつは、確実になにかを明らかにしていた。ただ、すべては明らかになっておらず、自分にもまだチャンスはあると確信。この発表を聞けただけでも、研究会に参加した価値有り。
とうぜんボブシュタインのもよかったがこの前聞いたのでまあまあ。
夜は、指導教員・鳥海・スタティスとフレンチ?へ。

三日目
午前は、地上望遠鏡もしくは、ひので衛星で捉えた小さいスケールの構造の話。
地上望遠鏡のすごいときはまじですごい。
まあ、そんなもんであんまり触手は動かず。ぼーっと聞く。

午後は、シャガールツアー。シャガールが生と死について描いた一連の絵に感銘をうける。
夜は、鳥海・スタティス・リンさんとスペイン風の海鮮屋さんへ。

四日目
コロナ磁場のextrapolationなど。
マークチュン色々やってて偉いなあと。
マンチェスターのはなかなか面白かった。

五日目
朝に鳥海とともにタクシーを広い空港で朝食。
お土産を買って、別れを告げる。
ニースからアムステルダムにいく飛行機のところにいくとボブシュタインがいた。
飛行機にのると、通路を挟んでだが隣の席だった。
さらに話がしたいから他の空いている席に移ろうと言われて、1時間半みっちり議論させていただきました。

ベルヌーイの定理について

ふと昼ご飯を食べながら、学部生時代に太陽ダイナモの偉い先生のレポートでベルヌーイの定理をつかった問題が出て、そのレポートをメールで出したら、「ベルヌーイの定理の物理的意味は?」と返信があり答えられなかったなあと思い出してた。

そもそも、ベルヌーイの定理とは何かというとwikipediaにのってる。
ベルヌーイの定理 - Wikipedia

これはつまり、流線にそって速度が遅くなると圧力が上がり、速度が大きくなると圧力が下がるというものである。
水道管が途中から細くなると、その分そこの速度が速くなり結果圧力が下がるというものである。

すごい大きい船の横を小さな船が通ると船と船の間だけ流速が大きくなり、圧力が小さくなるので引き合って事故になるというのも聞いたことがある。

ベルヌーイの定理自体は有名で誰もが知っていると思うけど、これの物理的意味はどこまで考えることができるか確認してみた。

まず、ベルヌーイの定理というのは、流体の全エネルギー保存則から導かれるもので、つまり、運動エネルギー(速度みたいなもの)と内部エネルギー(圧力みたいなもの)は、常に一定ですということ。なので、速度が上がるとその分、内部エネルギーが失われて圧力が下がるし、バイスバサというわけです。

それで、これはどういう物理機構によって、なされるのかを考えてみた。
第一段階は、結構簡単で、全エネルギー保存の式を、運動エネルギー保存の式と内部エネルギー保存の式に分解してみればいい。すると、粘性がなければ、運動エネルギーと内部エネルギーのエネルギー交換は圧縮・膨張によってのみおこなわれることがわかる。つまり、同じ流線上で速度が速い所から遅い所にいくときに、圧縮運動になる、これが内部エネルギーとなって圧力がますのである。

ここまでくるとなぜ膨張や圧縮運動が内部エネルギーを増減させることができるのかおさらいしたくなる。
ここからはただの妄想で合っているのかもわからない。
まずは流体の運動エネルギーと内部エネルギーというのはどういうものかを考えなくては行けない。
そもそも僕らが理解できる物質ってのは粒子からできていて、その世界では粒子が飛び回る運動エネルギーしかないはず。
(もちろん、いろいろ難しい力はあるけど、いまはどうでもよい)
そのまま丸ごと理解するのは難しいので、流体力学では粒子の運動のうち一方方向を向いている成分と、バラバラにとびまわっている成分にわけて、前者を運動エネルギー、後者を内部エネルギーとしたわけだ。(あってるかな。。)

そう考えると、圧縮というのは、一方方向を向いていた粒子達がぶつかり合ってバラバラになってしまう過程で、膨張ってのは流体同士が離れて行き、バラバラの粒子が同じ方向を向く過程と理解すればいい。

もし合っていれば、学部時代よりは頭よくなったことになるな

大学院生の研究の進め方と発表のイントロダクションの作り方について

最近、所属講座のコロキウムでかなり頻繁に「発表のイントロダクションが悪い」という話が出ているにも関わらず一向に状況が改善しない。

発表の最後の方では「君の結果はこういうものなんだから、最初にこういう導入をしなければいけない」という風な示唆が講座の先生や年寄りの学生からされているにも関わらず次の週になるとまた同じような良くないイントロダクションが用意されている。

これは、個別のことに対して解決策を提示してもうまくいかないのではと勘づき始めて来た。
色々考えた結果、多くの大学院生が陥る罠だと思うので、その原因と対策をここにメモしておこうと思う。

多くの大学院生のたどる研究の道筋はだいたいこんな感じである。(もちろんこんなのたどらない優秀な学生がいるのは知ってる。)
1. (偉い)教授・准教授から「こんな問題があるのだけど、取り組んでみないか?こんな方針でやれば面白い」と持ちかけられる。
2. 偉い人が示してくれたことだし、しばらく頑張って研究する。
3. だいたいうまくいかない→諦めて1に戻るか4にいくかどっちか
4. 最初に目指していたものとは違うが、面白い発見がある。
5. 4で見つかったことを発表する。

といった具合。もちろん、先生が示してくれた通りに研究が進むという場合もあると思うが、それはたいがいがあんまり難しくない問題で、まだ人類の誰もが解けていない問題に取り組む場合は、先生の示してくれた通りには行かず、ちょっと別な切り口の結果になることがほとんどだと思う。

もちろん学生が途中から自分独自の考えにしたがって研究を進めて独自の結果を出すこと自体は、すばらしいことである。

しかし、こういう道筋をたどった後に発表をすると往々にして、最初に先生が示してくれたままの、自分独自の研究結果に対応しないイントロダクションをしてしまうのだ。
(偉い)教授・准教授が示してくれたことに無下に破棄できないという気持ちはわからないではないけど、自分は自分の結果を知っているのでそれに対応した
その結果を面白いと思ってもらえるような導入をしなければいけないのである。

例えば、うちのコロキウムでこんな発表があった。
ちゃんと覚えてないが、どこかの惑星の磁気圏の話で、その磁気圏には衛星からプラズマが供給されるだの、太陽風動圧と磁気圧がこの惑星ではどうだのと言ったイントロダクションがあった。しかし、結論のところでは磁気リコネクションが重要という様な話がでてきた。

聞いた訳ではないので確証はないが、磁気リコネクションの話は研究の終盤で思いついた、もしくは観測データから推測されたものなのでは無いかと思う。
それならば、それでいいので、導入をばっさり変えてしまって導入で磁気リコネクションに興味を持たせるような内容にしなければいけないのだ。

かなり推測のまじった話だけど、自分を鑑みても思い当たる所がないではない。

2012年のまとめ

今年は、なにかが終わると思ったり、何かが変わると思ったけどなにも終わらないし、何も変わらないのだなあと思った年。
一日一個日記を書くのは難しいけど、まとめくらいは毎年書こうと思っていて、今年もそれができそう。
今年は4本論文を受理されたが、やや急ぎすぎな感はあった。来年からはコンスタントに毎年2本というのを目標に頑張っていこうと思う。

1月
・CfCAユーザーズミーティングにて、初めての口頭。エクスプロージョンの話をした。
ほとんどの人が今日見なさそうだったのが思い出される。太陽分野が天文の人と絡むのは難しい部分もある。

・アジア冬の学校に参加。世界から若い人が日本にやってきて学ぼう的なやつで、今年は太陽の担当だったらしくそれのお手伝い。僕は日震学のところでお手伝いしたが、学生にばらつきがあって、A:まったく日震学知らない B:日震学勉強し始め C:すでに日震学でScienceに論文を出している。という三人だった。それぞれの人に発表の機会を与えようと思い、それぞれ頑張ってもらった。(Cの学生は別に頑張らなくてもよかったのかな)

・藤谷さんの博士論文発表会。S先生に「君も質問したら」と言われる。さすがに黙ってた。

2月
・乱流拡散係数を出すという研究がほぼ終わりを迎える。綺麗な結果が出てよかった。
天文台に行って、極域磁場の話を聞かせてもらう。
核融合研を訪ねて伊藤先生と面談。いろいろと貴重な話を伺う。偉い人の部屋ってすごいなあという感想を持つ。
駒場にて乱流研究会、惑星大気の流体力学が面白かった。

3月
千葉大にて宇宙磁気流体・プラズマシミュレーションワークショップ。数値計算オタクの人々の話を聞きつつ自分も発表。僕も数値計算好きかもと思う。
・Hinode運用。初めての独り立ちだったのだが、他の衛星にぶつかりそうということで、僕は完全に蚊帳の外。毎日JAXAに行っては、10分くらい話を聞いて帰るという毎日を過ごす。
・出身高校(桐朋)へ出張授業。若い子たちに熱い話をする。
天文学会@京都 エクスプロージョンの話。面白いと思った人は面白いと思ったみたいだが、やや複雑な物理機構なのでもともと知らない人は9分で理解するのは難しかったかもしれない。
・そのまま京大セミナー。自分の計画をしゃべる。うけた感じがした。


4月
・飯島君に手伝ってもらってMihalasセミナーを始める。
・出張授業反省会。あんまりいい気分はしない。
・卓球を始める。
・乱流拡散定量化論文受理

5月
・チョウドリさん来日。お土産をもらう。
・地球惑星科学連合大会。プラズマのところで発表したが、場違い感がすごかった。どこで発表すれば良かったのだろう。
・ドイツ・アメリカにいく準備を始める。

6月・7月
・1日からドイツ・マックスプランク研究所にて二ヶ月。
僕が滞在したのはカトレンブルグリンダウというところだったが、超絶田舎でびっくりした。
まわりに牛とかいて、心はおだやか。余生はこんなところで過ごしたいなどと考える。いつも通り無計画で滞在が始まってしまったので、マックスプランクの長島さんにかなりお世話になる。車で色々連れて行ってもらった。
藤谷さんとはケルンで一回、フランクフルトで一回会って酒を飲んだ。
研究面では、なかなか難しかったが、方向性をやや修正することにした。最後の二週間エネルギーフラックスの点でまったく研究が進まなくなる。考えても考えても原因がわからない日々だった。

8月
・一度日本に帰ってくる。その足で横山研に行ってセミナー。飲み会にも参加。
アメリカへ、一ヶ月半。
レンペルと議論していたら、ドイツであれほど解決しなかった問題が二日ほどで解決。原因はいくつかあって、単純に僕の知識不足。マックスプランクのネットワークの悪さ。解決した原因は、レンペルの偉大さといったところか。
その後、HAOコロキウム。なんとなく評価してもらった感じがした。阿南さん常田先生もHAOにいらっしゃりご飯などを食べる。今回の滞在ではシンディーの家でギターを発見し、毎日のようにギターを弾いていた。

9月
・いろいろ研究はよく進み日本に帰る。
・次の日から大分にて天文学会。今回は磁束のねじりをつくる物理機構について発表。毎回のような同じ質問を受ける。
他の人の研究も面白かった。
・いったん、東京にもどり次の日からスイスへ。日震学の研究会に参加する。状態方程式のやつとか日震学の詳しい部分はほとんどわからないが、面白い研究もあった。自分の発表は2012年の中では一番駄目だった。精進あるのみ。

10月
・日本に帰る。
・京の一般運用開始。
・BAP cafeにて講演。やはりあまりサイエンスコミュニケーションってしっくりこないななどと思う。
・エクスプロージョンの論文受理
・ねじり論文受理
・月の後半、狂った様にセミナーをやらされる。それも、非常に不快な感じで。もうあんなのやりたくないなあ。


11月
・なにかに焦る。いまや意味なくなってしまったが、月のほとんどはそれに使う。
・京の講習会に行く。オタクの集まりだと思った。

12月
・ダグラスゴフさんセミナー。秘密の研究を披露。喜んでくれた。
・Solar-C/SUVIT meetingあり。レンペルなどが日本に来る。彼らとの議論はやはり楽しい。
・CfCAユーザーズミーティング。実行効率とスパコン運用について考えさせられる。

来年もどうぞよろしくお願いします。

球面調和関数展開をFortran 90/95で使う

球面調和関数展開(spherical harmonic expansion)を数値シミュレーションデータの解析で使いたくいろいろ調査。IDLのルーチンは高い次数でうまくいかなくなるらしいので他の方法をさがしたところ公開されているFortranのプログラムがあった。
そのインストールの方法をここに記録しておくことにする。

http://shtools.ipgp.fr/というのをインストールした。まだ試してないがl=2800までいけるらしいので使うことにする。
これを使うには、FFTW、BLASLAPACKが必要なのでまずはそれらからインストール。
ちなみにこれらのソフトウェアはフリーで、僕が使っているスパコンにはインストールされている。スパコンで使う上では特に必要ないのだが、ローカルマシンで開発・デバッグということも多いので、今回インストールすることにした。

FFTWはかなり昔にインストールしたのでどうやるかは覚えていないが、特に問題なくインストールできたと思う。FFTW Download Pageからダウンロードなかにreadmeがあったと思う。

次に、BLAS。これはBLAS (Basic Linear Algebra Subprograms)からダウンロード

tar zxvf blas.tgz
cd BLAS
make

とすればFortranのファイルがコンパイルされる。make.incの中のFRCのところをいじくればコンパイラを変えることもできる。

次に、LAPACK(実はこれにBLASも入っているようだ)。まずはLAPACK — Linear Algebra PACKageから最新版をダウンロード。Previous releaseと書いてあるが、そこに最新版も置かれている。
Installing LAPACK on a Unix Systemに書いてとおりに、
まず

gunzip -c lapack.tgz | tar xvf -

として、解凍。
そして、中にあるmake.inc.exampleをmake.incにコピー。
中のFORTRAN
LOADERあたりを自分の好きなコンパイラに変更する。
BLASのところがややこしい。まずLAPACK/BLAS/SRCに行ってBLASだけを先にコンパイルしなければいけなかった。その後、LAPACK/に戻ってmakeをするとうまくいった。

コンパイルにそれなりに時間がかかる。

次にSHTOOLS、http://shtools.ipgp.fr/からダウンロードしてきて

tar zxvf SHTOOLS2.8.tar.Z

として解凍。中のMakefileをいじくる。変えた方がよさそうなところはF95のところ。自分のコンパイラに変える。するとどのように使えばいいか出てくる。

Köln観光

去年度まで、同じ部屋で現在ドイツで働いている藤谷さんとその奥さん会うためにKölnに行ってきました。違う場所に住んでいるのだけど、観光をしようということでKölnに集合です。
お昼を一緒にということになり、集合時間は12時半ということだったのですが、僕の住むKatlenburg-Lindauから出発してKölnにその時間に着こうと思うと6時半には家を出なければ行けないので早起きが大変です。

とりあえず、Lindauのバス停からKatlenburgの電車の駅までバスで、いつもこのバスはあまり人が乗っていないのだけど今回は僕一人。
Katlenburgの駅では、酔っぱらっているやさぐれたおじさんに券売機で券の買い方がわからないと言われ、「スリかな?」と思ったけど大変そうだったのでサポートしてあげる。ただ、僕は全くドイツ語分からないのでなかなかサポートも困難。というか僕自体その日券売機で券買うの二回目で自転車乗せる券の買い方とかわからなくかなり大変でした。
途中からドイツ人のおばさんが駅に来たので、「あの人に聞いた方がいい」と英語でずっと言ったけど取り合ってもらえず、頑張った結果うまく買えました。

KatlenburgからGöttingenまでは普通のローカルな電車に乗って、GöttingenからはICEという新幹線みたいなやつに乗りました。これでひとまずFrankfurtまで行ってそこから違うICEに乗り換えてKölnへ。このとき四人で向き合う席に座ったのだけど、そこにおばあさんと五歳くらいの女の子二人の計三人組がやって来てトランプとかUNOとかやっててすごいかわいかったです。

ただ左に座ってた女の子はちょっとずるい子で、隣の女の子のカードずっと見てたり、UNOのルールを自分の都合のいい様に変えようとしてたり、微笑ましかったです。
そんなこんなで電車で4時間くらい乗ってると、Kölnに着きました。駅を出てすぐに大聖堂があって、かなり壮観です。

しばらく、待つと藤谷夫妻登場。元気そうでした。
そこから、1511年創業というレストランに行って、伝統料理と地ビールケルシュ」をたくさん飲みました。

食事後は、大聖堂の中を観光。一階と地下階は美術館のようになっていて、5ユーロで入ることができます。
ここは、Magi(マーゴイ)と呼ばれる東方の三博士の遺骨があるとされている所です。そういえば幼稚園のときに劇で三博士の役をやったなあと思い出しました。
こんなところでつながってくるとは。

階段で、大聖堂の中を登ることもできて登って行ったのですが、僕は一回途中でダウンしてしまいました。こんくらいわけないと思ってたのですが、途中目の前が真っ暗に。
10分ほど横になってたら治ったので、再び登る。上まで行くと良い風景でした。

その後は、雰囲気の良いカフェに入って、バフェなどを食べる。かなりの量でしたがおいしかったです。また食べたい。

そんなこんなで18時くらいまでライン川付近を探索して、Lindauに帰ってきました。
ドイツの鉄道利用も慣れて来たので、もう一回くらいどこかに行こうかな